バンド上達塾Vol.9 レポート

2016.2.26(FRI)@BASS ON TOP 池袋北口店

去る2月26日、ベースオントップ池袋北口店にて開催された「バンド上達塾」。

ベースオントップがお送りする特別企画「バンド上達塾」は、プロミュージシャンをお招きしその魅力を存分に披露していただくと共に、プレイヤーやファンを問わず皆様の音楽ライフをより良いものにするためにお届けしているワークショップです。

今回の講師はドラマー佐藤潤一氏。GALNERYUSやMEPHISTOPHELESでの活動の他、音楽学校MI JAPANでも講師として教鞭を執られている氏をお迎えし、ツーバスを駆使しての「光速ドラミング」の魅力に迫りました。

このレポートで、その「光速ドラミング」の内容を少しばかりでも体感していただこうと思います。


今回の会場はベースオントップ池袋北口店の4st。北口店には開場前から長蛇の列、平日にも関わらずたくさんの方にご来場いただきました。(お寒い中、本当にありがとうございました!)

部屋に入ってまず目がいくのはドラムセットの場所。壁一面張りの鏡の目の前、来場者からは氏を後ろから見る配置となっていました。
光速ツーバスを存分に見てもらおうという試みですので普段見る事のできない後ろから、更には至近距離とあってそのテクニックを存分に体感いただけたのではないでしょうか。

開始に先立って司会者2人がトークで盛り上げます、「佐藤先生は今回後ろから見られるということで、靴を洗ってきたとおっしゃってましたよ!」の一言で開場は爆笑。良いオチ持ってます!

会場も暖まった所で講師、佐藤潤一氏の入場。
拍手で迎えられたところで「オリジナル曲を発表したいと思います!」と氏からのサプライズ!嬉しい発表に会場も拍手で応えます!

イヤーモニターとオケの準備の一瞬の静寂の後、そのオリジナル曲がスタート。
シンフォニックなイントロに始まり、タムを使ったフレーズで徐々に雰囲気を演出した次の瞬間、挨拶代わりと言わんばかりに6連ツーバスを繰り出す氏。
これには思わず身を乗り出して見る方、速すぎて笑いが出てしまう方続出!

なんのこれしき、まだイントロですよ!!

その後はBPM225の楽曲の中でブラストビートやタム回し、ツーバスのオルタネイトのみならず1拍半フレーズ(通称バケラッタフレーズ)なども駆使して更に加速!!まさしく「光速ツーバスドラミング」、ドラマーの筆者も耳はなんとか追いかけられても目が追いつきません、とにかく速い!!!

怒濤の勢いで1曲目が終了、改めて講師の紹介を行った後は司会からバトンタッチ、氏から説明される形で自身の使用機材やセッティング、ツーバスのスピードアップについての練習方法のレクチャーに移ります。


機材や自身のシグネイチャースティックの紹介から、「セッティング」「ふみ方」「ツーバストレーニング方法」「特殊なふみ方」の順に詳細な説明をされていきました。音楽学校の講師ということもあり、氏の経験談もふまえての論理的な説明、時には笑いありの順を追ってステップアップしていく説明はとても分かりやすくまとめられていました。

まずは時間をかけて取り組み、慣れてきたタイミングでしっかり考えて頭と体のバランスを整え、また時間をかけていく……「練習する」うえでの大切な要素が含まれているように感じられました。



ペダルは「光速ツーバス」用のAXISのダイレクトドライブペダル、「高速ツーバス」用にはPEARL製デーモンチェインドライブペダルを使用、AXISは「趣味で持ってきました!」とのこと。GALNERYUSではPEARLのペダルを使用されているとおっしゃっていました。

「ツーバストレーニング方法」の中での自分の限界を超えていく練習というくだりでは、
「佐藤先生の限界への挑戦を見せてください!」
と司会者から無茶ぶりが…!来場のお客様からの拍手にも後押しを受け、限界への挑戦が始まりました!

佐藤 潤一:「ではまず200から!」

佐藤氏の一言の後メトロノームが鳴りだすと会場からはあまりの速さに笑いが漏れます!!

先生、筆者にとっては既に限界突破です!ですがそこは日本を代表するツーバスドラマー佐藤潤一氏、軽々とふみ倒してクリア。
次はBPMを10上げて210ですが……これも楽々ふんでいる印象を受けました。

「まだいけますか?」
佐藤 潤一:「いけます!!」

佐藤潤一という男には限界なんてないのではないか、そんなことを考えているうちにBPM220も鮮やかに終了。

ここで終了かと思いきやお客様からの拍手はありません、まだまだ満足できないオーディエンス!!氏は更なる限界への挑戦へ…

BPM230!会場からは悲鳴も混じったどよめきが聞こえます。まさに光速、圧倒的な速さと音量で限界突破!!

ここで終了の雰囲気を感じた司会が喋ろうとすると、
佐藤 潤一:「240!!!」

佐藤氏自ら更なる挑戦へと向かい、会場を煽ります!

BPM240すらをもふみ倒す佐藤氏、これには会場からも文句無しの拍手が巻き起こりました。今回の上達塾イチバンの盛り上がり!!!



佐藤 潤一:「普段はBPM130、140ぐらいでしかふめない、それでも200でやってみるんです。そうすると体が危機を感じて、新しいふみ方を編み出してくるんです。」

「140ぐらいが限界だけど、一度200でやってみる。もちろん全然ふめないと思います。だけど、その後で140に戻すと脳の解析できる速度があがっているので、あれ?ちょっと余裕あるな…?となるんですよね。」


と挑戦前におっしゃっていた佐藤氏。

筆者はレポートを作成するために、記録した映像を何度か見返しているのですが、まさしくその通り。限界への挑戦での最初のBPM「200」が今は遅く感じるんです!!練習する時には体を使って時間をかけることが必要ですが、その演奏をイメージできるかという部分も大切な要素です。限界を超えて反応できる速度があがった今のこの状態は、スピードアップの練習においてとても良い方法である、と筆者も身を以て感じました!


このような流れでツーバスレクチャーは終了したわけですが、その内容を少しまとめてみましょう。

・ペダルはバスドラに正しく取り付ける。

・速くふむためにはペダルのスプリングは最強に!(スプリングマックス!とは佐藤潤一氏のお言葉)

・脚全体と足首の自由度を高くする事を大切に、イスの高さや座る位置、バスドラとの距離を決める。

・とにかく時間をかけて、最初はゆっくりのテンポから練習する。

・自分の限界を超えるため、時にはやったことすらない速いテンポにも挑戦する。



ここでデモ演奏2曲目、先ほどまでレクチャーしていただたいた事をふまえて見られた方も多かったのではないでしょうか?

筆者も教えてもらって明確になったことをそのまますぐに本人の演奏で確認し、イメージとして焼き付けました!


デモ演奏後は質問コーナーへ。

開演前に記入いただいた中から、氏にお応えいただきます。全て読み上げたかったのですが、時間の都合上抽選とさせていただきました。

「フィルインなどでのフレーズのレパートリーが少ないです、佐藤潤一さんのフレーズを教えてほしいです。」

という質問に対し、佐藤氏はフレーズと、その作り方とレクチャー。佐藤氏は一つのフレーズを提示し、タムやシンバルなど叩く場所や叩く手順を変えることによって、違う音色やニュアンスを得られるということを説明されていました。


いよいよ終演の時間となり、最後のデモ演奏へ。

BPM185での光速ツーバス、オケの各パートとの正確な高速ユニゾン……最高の演奏でバンド上達塾を締めくくっていただきました!

最後は来場者と佐藤潤一氏で記念撮影、メロイックサインでばっちりキメます!



これにて、BASS ON TOP presents「バンド上達塾」特別講師に佐藤潤一氏をお迎えして行った全プログラムが終了致しました。
はや9回を迎えるバンド上達塾、いつもたくさんの方にご来場いただき、誠にありがとうございます。


日頃からライブハウスやスタジオを利用してくださる皆様、そしてこれから利用してみたいと考えていらっしゃる方々、そして音楽を愛してやまないあなたのために、ベースオントップはこれからも楽しいひと時をお届けするために新たな活動を進めて参ります。

皆様のご参加をいつでもお待ちしております!


デモ演奏セットリスト

1、佐藤潤一氏オリジナル楽曲

2、MEPHISTOPHELES「Into The Nightmare」

3、GALNERYUS「DESTINY」

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